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精神的な暴力行為…話題のモラハラは意外と身近に潜んでいた。

モラハラ。一度は耳にしたことがある言葉だと思います。モラハラって、している方もされている方も自覚がないことが多いんです。だから無意識のうちに加害者や被害者になってしまっていることもあるんですよ。モラハラは見えない暴力なので周囲も気づきにくいだけで、意外と身近なものなのです。そんな恐ろしいモラハラについて解説いたします。

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モラハラとは

モラハラとはモラルハラスメントの略で、言葉や態度で相手を苦しめる精神的な暴力行為のことです。DVにも殴る蹴るといった肉体的暴力の他に、精神的DVというのがあります。この精神的DVとモラハラを比べるとモラハラの意味が分かりやすいです。精神的DVはクズ、死ね、といったような明らかな暴言のことです。なのでこれは言葉の暴力だと認識できます。そして加害者が個人的に被害者を罵倒しているものです。

ですがモラハラはただ暴言を吐くのではなく、加害者個人の意見を正当化して通すために、自分は常識的で正しい考え方をしている、間違っているのは被害者の方だ、被害者のせいで自分が苦しめられている、と思い込んでそれを言い張ります。なので一見加害者が被害者のようになってしまうのです。そして被害者自身も自分が悪いと思い込んでしまうので限界を越えるまで我慢し続けるため、モラハラの被害が長期化して精神的な苦痛も大きくなってしまうのです。そこがモラハラの怖いところです。

そんな恐ろしいモラハラ、具体的にどういった行動がモラハラに当たるのか、そこを詳しくお伝えしたいと思います。モラハラは問題が表面化されづらいだけに、知らず知らずのうちにモラハラしたりされたりといったことになりがちですし、割と身近によくある問題なのです。

モラハラにあたる具体的な行動とは

自分の非を決して認めない

モラハラをする人の特徴として、自己愛性パーソナリティ障害という精神疾患を持っている人が多いということが言われています。もちろん全ての人がこれに当てはまるわけではありません。ですがこの精神疾患の症状として、自尊心の低さ、強い劣等感を持っているために、他人から意見されることが、過剰に自分を否定されたと感じるという部分は、モラハラをする人に多く当てはまる特徴と言えます。そしてそんな自分を守るために攻撃的になるのです。

このことからモラハラをする人は、自分を正当化するために他人を言葉巧みに攻撃して自分は間違っていないという既成事実を作り上げてしまいます。例えば男女間のことで言えば、浮気をしたことがバレて責められても、相手のせいにして自分は悪くない、相手が悪い、という話にしようとします。自分の非を決して認めない、少しでも批判されれば攻撃的な言葉で相手を責めたてて自分を正当化する、こういった言動はモラハラになります。

相手を支配する

モラハラをする人は、自分が傷つけられることを酷く恐れます。恐れるあまりに相手を支配して自分の管理下に置き、自分の思い通りに支配しようとします。そうすれば自分が傷つけられることをされないという安心感を得られるからです。男女間では相手が自由に行動することを制限して、行動を監視、支配したがります。いわゆる異常な束縛をするということです。異性とは会話することすら禁止したり、同性の友人であっても外出することを嫌がり家の中で会え、といったような異常な要求をします。

また普段の些細な行動でも、自分の命令に従わない=自分はバカにされた、と思い込みキレたり無視したりといった酷い態度をとって相手を責めます。モラハラをする人は極端に自信がないゆえに、相手が自分の支配下のもと、自分のことを最優先に考え思い通りに動いてくれていれば、自分は大切にされているんだと思いそれを自信に繋げて安心するのです。でも相手が自分の思い通りに動かないとなると、自分は雑に扱われたと思い異常な怒りを感じてそれを爆発的に相手にぶつけるのです。

相手の気持ちをまったく理解しない

モラハラをする人は、他人の気持ちに共感する能力がひどく欠けているところがあります。なのでこれまで挙げたような、非を認めない・支配する言動によって相手が苦しんでいるという気持ちが理解できないのです。ですから自分の言動のおかしさにも気付けないし、それによって相手が追い詰められていることも分からないのです。

モラハラをする人は、自分が傷つかないように、自分の威厳や立場が損なわれないように、ということが最も重要なので、相手が今どんな気持ちなのかということに興味がないのです。モラハラを受けていることをつらい、やめてほしいんだと直接的に言葉で説明して気持ちを訴えても、相手の気持ちより自分の気持ちが優先されるので、じゃあ自分の気持ちはどうなるんだ、自分のほうがつらいんだ、自分のほうが大変なんだと言って、相手の気持ちは無視してまず自分の気持ちを理解してほしいということを要求します。

周囲に悪口を吹き込む

モラハラをする人は、相手と意見が対立したとき、自分は間違っていないんだということを証明するために、周囲に相手の悪口を吹き込むといった行動をとることがあります。自分が間違っていると思われたくないので、相手が周囲に相談する前に先に相手の悪口を吹き込んでおいて自分の立場を守ろうとする目的もありますし、自分の意見が正しいと証明するために、自分だけがこう言ってるんじゃない、世間的に見ても自分は正しく相手がおかしいんだと言って相手を追い込むといった目的もあります。

これもモラハラをする人の極度な自信のなさが原因です。相手に自分の意見を通すため、相手を支配するために、世間一般的に見ても相手がおかしい、自分は正しいという構図を作って相手にもそう思いこませ、自分に従うように、そむかないようにしておきたいのです。結果モラハラされている側は洗脳されたような状態になります。モラハラをする人はそうすることで自分の自尊心を守ろうとするのです。自分ひとりではそれを守ることができず、他人を使って自分の自尊心を守ることしかできないのです。

モラハラは当人同士、周囲も気づきにくいだけでよくある問題

モラハラされている側にとっては、常に相手が正しい、自分の意見はことごとく否定される、相手に支配される、という状態が続くことは自分自身の存在を否定されていることになるので、自分は価値のない人間だ、自分がすべて間違っている、世間的にもおかしい人間なんだと思い込んでしまい、最終的には自律神経失調症やうつ病といった大変な精神疾患を抱えるようになることも多いのです。こうなってしまうとただの男女間のケンカや意見の相違という次元ではなくなってしまいます。

モラハラの実態を知ることは、自己中心的な言動が相手を精神的に追い詰めてしまうことがある、相手の自己中心的な言動を受け入れすぎると精神的に追い込まれてしまうこともある、ということを理解することに繋がります。モラハラとまではいかなくても、誰しもが男女関係を築いていくにあたってこういったことを改めて頭に入れておくこと、そして行き過ぎると知らず知らずのうちにモラハラの加害者や被害者になることがあるのだということも理解しておくことは大切なことだと思います。

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