共依存関係とは

「共依存」という恋愛関係をご存じですか?
一緒にいるのに苦しい、でもいないのも苦しい。自身の身体の一部に相手の存在を組み入れてしまい、もはやお互いの存在なしでは生きていけないような状態を共依存と言います。この恋愛の形では、一緒にいても苦しいだけとわかっていながら別れられないジレンマが一番の苦しみと言えるでしょう。ハッピーなはずの恋が苦しいってつらくないですか?
共依存関係はお互いが精神的に自立していないゆえにおこるものだと考えられています。自分に足りないものを補うように互いを必要とし合い、最終的には相手の存在をも自分の一部と捉えてしまうことが問題です。
何度も別れよう、距離を置こうと思いながらも、相手に頼られることがなんとなく嬉しくて関係を継続させてしまう。これは男性、女性関係なく起こることです。頼られることで自己肯定感を保ち、相手は自分が受け入れてもらえたことに安心して頼り切ってしまい、互いに依存関係に陥るのです、
共依存になってしまうきっかけ

共依存になってしまうきっかけは様々ありますが、その中でも最も大きな要因となるのはお互いの自尊心の欠如です。お互いが精神的に自立しておらず、相手がいなければ幸せではない、という自分勝手な愛におぼれてしまっていることで共依存は起こります。
本来であればお互いに自立していれば、相手がいなくとも自分は十分に幸せであると実感できるはずです。しかし、いつの間にか相手ありきの幸せだけを感じるようになり、自分という存在が分からなくなってしまうということもあるのです。
自分の中のさみしさや根本的な問題にふたをして、相手に埋めてもらおうと考えてしまうことによって共依存関係は生まれます。なんとなく寂しい、なんとなくつらいという感情を自分自身で処理できないために相手に依存してしまうのです。
相手に依存するということは、相手に甘えすぎてしまうということでもあります。相手に「こんな風に感じてるんだよね…」と相談することは悪いことではありません。むしろ、そういった二人の気持ちを共有する時間は信頼関係を築くうえでとても大切なものです。
しかし、一方で、ただ、自分の寂しさを相手に何とかしてもらおうと相手に気持ちをぶつけたり、何らかの形で埋め合わせてもらったりすることで安心感を得ます。これに慣れてしまうことでいつの間にか、お互いにキャパシティを超えて共依存関係になってしまうのです。
共依存をやめるためには

共依存をやめるためには相手の気持ちを思い図るように気を付けてみるとよいでしょう。相手が自分の言動によってどのようなことを思っているのかということを考えてみましょう。自分の言動によって相手が自分に依存しすぎてはいないだろうか、逆に、自分は相手に頼りすぎてしまって無理をさせていないだろうか、と振り返ってみてください。
そのうえで、お互いにフェアな関係ではなく、ただ、埋めあうような関係性になってしまっているのであれば改善する必要があります。大切なのはお互いに精神的自立を目指すということです。
相手がいなければ生きていけない、というのはお互いにとって良いこととは思えません。精神的自立を後回しにして一緒にいてしまうと、お互いに一緒にいることが苦痛になります。
共依存になっていると気が付いたら

共依存になっているなと感じたら、まずは距離をとりましょう。相手と同居しているという場合には少し一人の時間を長くとるようにするなど、相手と一緒にいる時間をなるべく少なくするということが大切です。
自分が一人の時間をとることによって、自立する気持ちが少しずつ芽生えてきます。相手がいなければさみしくて生活できない、という場合には自分を満たす方法を知らないということでもあります。
自分が一人でも十分に楽しく、忙しく、いいリズムで生活できるのだ、ということを体感してみるとよいでしょう。自分を満たせるような趣味や一人の時間を楽しむすべを見つけることで相手に依存することも少なくなります。
共依存関係を今すぐ断ち切ろう

共依存関係を断ち切るためには、精神的自立をすることが大切です。その為には一度お互いに距離を空ける必要があるでしょう。相手に頼りすぎず、頼られすぎず、程よい距離感を保ちながらお互いの立場を尊重するということができるようになると気持ちも楽になります。
パートナーといえども必ずしも一緒に住まなければならないということもないでしょう。お互いに自分のことは自分で幸せにする、という気持ちが持てるようになって初めて一緒にいても苦痛が伴わなくなります。相手に幸せにしてもらおうという気持ちがあればあるほどに不満はたまっていきます。
まずは自分が自立するということがとても大切なことなのです。